東京、今年初の積雪です。
土曜の深夜、前から見たかった『この世界の片隅に』がAmazonプライムビデオでレンタル料100円とお安くなっていたので鑑賞。Twitterなどで話題になっているのをよく見かけて、高評価なのと愛情たっぷりに語る人が多いので気になっていました。
ふんわりした優しい絵柄で、戦時中を生きる普通の人たちの姿が描かれています。
絵を描くのが好きで、ちょっとぼーっとした「すず」さんが主人公。
よく知らない男性と望まれるまま18歳で結婚して、広島からまったく知らない呉へと移り住み、嫁としての暮らしが始まるすずさん。
心労で頭にハゲを作りながらも、夫や周りの人たちとの愛情を育みながら、けなげに一家の主婦として働く日常。けれど、戦争はやがて激しさを増し……。
おもしろかった?と聞かれたら、おもしろいとはちょっと違う……、せつない映画でした。
もう、これ以上の不幸はない、こんなにつらくて残酷なことはない、と思うような出来事があっても、それでも皆、生きていく。暮らしていく。
「泣いてばかりじゃもったいない。……塩分がね。」
なんて笑い飛ばす強さを見せながら。
そうして生きていたのは、その時代に生きた、本当に私となんら変わらない普通の人たちだったんだなと思うと胸にくるものがありました。
この映画、心に残るセリフがいくつかあるんですけど、私がぐっと来たのは、すずさんの義姉が言うセリフ。
すずさんの夫のお姉さんは、出戻りでなかなかキツイ性格です。
でも、そんなお姉さんが言うんですよね、すずさんが広島に帰ろうとするときに。
「私は好いた人には早く死なれた。店も疎開で壊された。子どもとも会えんくなった。ほいでも、自分で選んだ道の果てじゃけぇ……」
つらいことも山ほどあったお姉さんが自分の人生に覚悟をみせる言葉なのでありました。潔い。
周りに流されて言いなりになってと言われていたすずさんも、最後のほうでは「呉はうちが選んだ場所ですけぇ」と、ボーっとした片鱗はすでになく、凛とした強さを見せるシーンがあるのでありました。
冒頭に流れる歌、『悲しくてやりきれない』もよかったな。
Amazonプライムビデオは、fireTVスティックを使ってテレビで鑑賞。
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